【2023秋旅行④】倉敷美観地区

2023年11月11日(土)

休暇ももう折り返し
早い…早すぎる…

昨夜の宿は倉敷のゲストハウス

個室にしたけど全体的にチープで隣も廊下も音が筒抜けだった
でも歩いてすぐ美観地区に行ける立地は最高

まずは大原美術館

よく集めたなあ…と思ってしまうくらい、バラエティに富んでいて見応えもある作品がたくさん
ルソーとシグネルと古賀春江が特に好きだった
大原美術館といえば…のエル・グレコも青白い光のドラマティックな画面が美しかった
あの鳩めっちゃかっこいい

ジャコメッティもあるし
古代エジプトの木像まである…

美観地区ってあの運河の周りくらいだと思ってたけど、もっとずっと広かった

ランチ予約してたお店のあたりは観光地の端のエリアで落ち着いてて良かったな

古い倉をリフォームしたカフェでランチ
発酵食品を使ったお料理の店

バラの香りがするさっぱりした甘酒
柔らかい酸味のピクルス
スパイスが効いた大根のなにか
ほんのり甘いバターナッツカボチャのスープ
ふわふわの柔らかいハンバーグ…
全部美味しかった

パフェは紅茶のゼリーにナッツとざくざくのクッキーが香ばしくて
初めて飲んだカカオティーも甘い香りで飲みやすくて、満たされる食事だった…

食べてる間は全然分からなかったけど
お店を出てからかなりお腹いっぱいなことに気づいた

どこを歩いても街並みがきれいで
あちこちぐるぐる歩いて写真撮って、気になるお店をのぞいてたら、あっという間に夕方

夕暮れ時がまた美しくて、まだいたい〜〜と後ろ髪を引かれつつ、次の目的地の尾道

チェックインしてから尾道ラーメンのお店へ

色が濃いけどしょっぱくないし、
背脂たくさんだけどくどくない
ちょっと酸味もある?
最後まで美味しいラーメンだった

夜の街をちょっと散歩して
今日はさっさと寝る

【2023秋旅行③】ロスメルスホルム

2023年11月10日(金)

もう3日目
今日は朝から雨
移動と観劇だけの予定だから、天気崩れるのが今日で良かった

旅館のチェックアウトとお見送りを有馬の芸妓さんがしてくれた
短い間しかお話してないけど、あの距離感の作り方すごいな
丁寧で品があるけど親しみがあって柔らかい
お化粧も着物もきれいだった

有馬温泉からバスで1本
西宮に着いて、舞台前のカロリー補給
有名だけど食べたことないものを食べる、その2
551の豚まん

すごいむちむちで美味しかった

兵庫県立芸術文化センターはきれいでゆったりしてて素敵
こういうゆったりした空間のある新しいホールが我が街にも欲しい
駅近でまわりの施設も充実してて羨ましい…

「ロスメルスホルム」
2023年11月10日(金) 13:00
兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール

原作:ヘンリック・イプセン
脚色:ダンカン・マクミラン
演出:栗山 民也

舞台はずっとロスメルの屋敷のなかで進む
大きくて背の高い窓のある落ち着いた室内がハンマースホイの絵画っぽい

大きな窓から差し込む光とカーテンを揺らす風が
本当に外に繋がっているようなリアルさで、すごく存在感があった

森田さんの声、若いような年老いたような響きで
ロスメルの掴みどころのなさ、ピュアな善性、迷子のような頼りなさにはまってた

三浦透子さんも声が涼やかで、レベッカらしい固さがある
衣装のドレスのシルエットと、三浦さんの横顔が完璧すぎる…

後半ずっと涙が止まらず、どの台詞が、とか
どの感情で、とかがわからない
交響曲を聴きながら汗みたいに流れるものに似ていた
ホールを出たあとまで、気を抜くと込み上げてきてしまう
傷付いたような、救われたような
ううん…

戯曲を読んだとき、最後に2人はお互いがお互いを不自由にしていることに絶望して1つの出口に落ちていったような
お互いが追い詰めあってしまったように感じていたけど
今日見たものはお互いを絶望から救いたくて身を捧げあった結末だったと思う

元の自分に戻れない悲しみ
新しく欲したものも手に入らない絶望
ずっとレベッカ視点で観ていたな

戯曲を読んだ時の印象より、クロルとレベッカが最初から結構刺々しいというか
お互いを見下してる態度があからさまに感じた
ロスメルとクロルは子供のころからの関係性、同じ土地柄、価値観を共有するもの同士の繋がりも感じた

モルテンスゴール役の方すてきだったな
声が深くて柔らかくて、でもすっと届く
モルテンスゴールの「理想なしで生きていく才能がある」人物像がそこにいた

でも「理想なしで〜」の台詞はカットされてたな…
あれはモルテンスゴールとロスメルの違いを端的に表していると思ったし
物語の世界で起きていることを今の世界に置き換えて考える取っ掛かりになった台詞だったのだけど

他にも台詞が全体的にアレンジされてた
あとで悲劇喜劇に載ってる翻訳版をじっくり読む

森田さんの舞台は初めてだったのだけど
声も含めて身体表現が生み出す情感が繊細で生っぽくて
台詞と同じくらい、動き、姿勢、目線が語るものがあるんだなと実感した
初めてレベッカと触れ合うシーンにロスメルの深い愛情がみえて切ない…

どのレベッカが本当の彼女だったのか?とか、それを考えても仕方ない
一人の人間の人格は一つじゃない
それを受け入れ、レベッカを信じられたことでロスメルは救われたし
レベッカも絶望から救われた…と思うのだけど、
心の変化の恐ろしさを知った2人はそこで「めでたし」にはなれない
変われるから救いがあるのに、変わってしまうから安寧はない

観劇後、しばしぼーっとしてから次の目的地に移動
雨の湿気と帰宅ラッシュの人口密度が凄まじく
7kgのバックパックを片手で持ち上げ続けながら、吊り革にしがみついて汗だくになった
この移動がこの旅で一番しんどかった…

くたくたになって倉敷に到着して、いただいたうどんが大変美味しかった
まだ雨はぱらぱら降ってる

【2023秋旅行②】有馬温泉

2023年11月9日(木)

昨日は早めに床に入ったのだけど爆音冷蔵庫が気になってなかなか眠れず、
あと最近3時か4時くらいに起きてしまうのだけど、老化なのかしら…
朝風呂行ったら余計に眠くなってしまった

冷蔵庫に入れてたチーズケーキが朝ごはん
ぎゅっとしまってなめらかで美味しい

まずは行きたかったジェラート屋さん

マスカルポーネ きんかん甘酒仕立て
クリームみたいに軽くてなめらか
まろやかで、でもさっぱり

神戸いちじく 赤ワインコンポート
甘さはかなり控えめ
いちじくの青っぽい香りがハーブみたいに爽やか

いちじくって小学校の裏とか、おばあちゃんの家の駐車場とかにあるイメージが強くて
おしゃれフルーツ扱いされてるのがピンと来てなかったんだけど、確かにおしゃれな味するわ…

とても美味しかったので夕方また行った

焦がしキャラメルバターチョコチップ
六甲プレミアムミルク

口に入れた瞬間より、すっと溶けていくときに1番味を濃く感じる
この時間差が一口ごとに発生するのが素晴らしいよね…
全部美味しかった…ずっと食べていたかった…


瑞宝寺公園はまだ色づきはじめだけど、緑と赤のグラデーションも綺麗

石がごろごろの河原を頑張って渡って滝へ
日差しがあったかくて川のせせらぎが柔らかく聞こえて…眠い…

立派なカメラを抱えた人たち
上品な関西マダム
たぶん女装…だと思うルーズソックス女子高生
3匹のコーギー
いろいろな人たちがいた

坂を降りて温泉街へ
ちょっと覗くとそそられる路地だらけで歩くのが楽しい…

足湯に浸かりながら膝の上でノートPC広げてるサラリーマンがいた
そのまま取引先らしき相手に電話もしてた
忙しいのかのん気なのか、どういう状態なのかしら

すっかりお昼を過ぎていてお腹がすいたので、いい匂いがしてた鉄板焼き屋さんへ 

ふわとろでキャベツがさくさくで美味しかった
甘いソースは食べたことある感じだったけど、辛いソースが本当にひりひり辛くて初めて食べる味だった
関西では普通にあるものなのかしら
あれ美味しかったな

歩き疲れたので一旦宿に戻ってひと休みして、夜の温泉街をまた歩き回る
夜はまた怪しげな雰囲気も出て良い…とても良い…

歩き回って汗かいて、ちょっと冷えちゃって
部屋で食べたカップヌードルがめちゃくちゃ美味しかった
素泊まりひとり温泉旅館、こういうのが好き

【2023秋旅行①】出発

2023年11月8日(水)

待ちに待った休暇が始まった〜
良いお天気であったかい
こっちがまだ色づきはじめだから、関西は紅葉まだまだだろうな…

飛行機は定刻通り、乗り継ぎも順調そのもので良い出だし
大阪から有馬温泉まで高速バスで1時間って近い
大阪駅に着いてから美味しそうなものがたくさん目に入って急にお腹が空く…

ちょうど日が沈んだころ、旅館に到着
素泊まり限定だけど、ひとり客でも泊まれる温泉旅館はありがたい
今日からこちらに2泊

黒い木造の建物たちと橙色の灯り、川のせせらぎ
温泉街だ…すごく温泉街だ…!

お部屋に着いてまずはお茶とおやつ

今回の旅行は有名だけど食べたことないものを食べようと思って、りくろーおじさんのチーズケーキ、焼きたてワンホールを買ってきた
ふわふわさも素晴らしいけど、すごくきめ細かい
甘さも控えめでするするいける

とりあえずお腹が落ち着いたのでお風呂
有馬温泉の金泉、めちゃくちゃしっとりする

夕飯にデパ地下弁当を食べて
また別のお風呂に入って、部屋でだらだら
木村昴さんのダーツの旅やってる
休暇っぽい気分になってきた

神田古本まつり

2023年10月28日(土)

東京出張がてら、午前中は国立近代美術館のコレクション展、午後は神田古本まつりに行ってきた

国立近代美術館のコレクション展はいろんなジャンルの作品を好きなだけゆっくり見られて良い…
前に東山魁夷展で見た「残照」がずっと忘れられなくて、こんなに静かにじっくり対面できるなんて嬉しかった
何も語られなくても、なぜかあの山並みを眺めているだけで失ったものの遠さを感じて悲しくなって
でも穏やかな救いも感じて、初めて観たときも今日もじわっと涙が出てきてしまった

秋晴れの良い日で、竹橋から神保町までお堀沿いを歩くのも気持ち良かった
東京あったかすぎて、着てきたアウターほとんど使わなかった

古本まつりはすごい人出
元同僚と待ち合わせして、頑張って見て回った
ふと見たら出版社のブースで京極夏彦先生がサインをされていて
あまりにも見たことのあるお姿そのままで、唐突に目の前にいらっしゃたので現実感がなく
え。え??ってめちゃくちゃ見てしまった
不躾ですみません…でも感動……!

ちょうど今借りて読んでるイプセンの戯曲集があって、分厚いしもう読んでるし…と思って見送ったけど買えば良かったなあ
情報量に圧倒されて、ただタイトルを眺めながら歩くだけで楽しくて買い物モードになってなかった

山の上ホテルヒルトップにも行くだけ行ってみたけど60組待ち、開店時から来ていてまだ入れてない人がいると聞いて退散した…
そうだよねええぇ……行きたかったなぁぁ……

2件目も30組待ちで、結局かき氷屋さんに行った
だいぶ良い値段するわね…とは思ったけど、おしゃべりが楽しかったから良しとしよう
都会の人気カフェはすごいということを学んだ

先月退職してしまった同僚さん、直接会うのはまだ2回目だったのだけど
初めて会ったときにとある本関連で共通の体験があることがわかり
絶対話し合う〜もっと話したい〜と思ってたから、本のイベント誘ってもらってとても嬉しかった
辞めてしまったことが残念すぎる…

帰る前に銀座のムーミンショップにも行けた
銀座店限定のメモ帳がかわいすぎて…
トーベの描くムーミンのなかでも、こういう画面に対してちっちゃく書き込まれたムーミンたちが好き
配色もたまらなくかわいい
こういうグッズいっぱい出て欲しいよ〜
ラルス絵もかわいいけど、トーベ絵のグッズがもっと欲しいのよ〜

帰ってきたらやっぱりこっちは寒い
もうすぐ11月、冬がきてしまう

白鍵と黒鍵の間に

2023年10月22日(日) 16:20〜
映画 白鍵と黒鍵の間に

埃と煙草の煙に満ちた空気に柔らかく当たる光
ジャズってこういう空気と光が合う
綺麗じゃないけど暖かい色

劇中の台詞に出てくる「紙一重」という言葉がずっと印象に残っていた
白と黒の間にある無数の選択肢
隙間にあるたくさんの落とし穴
そういうものが音楽と人間とで描かれていて不思議な映画体験ができた

紙一重
過去と未来も、現実と妄想も
美と醜も

紙一重なものがたくさんあるなかで
変わらないものがあって、時間がかかっても辿り着ける
最後に不思議な癒しが残る映画

森田さんの役、飢えと渇きが佇まいや声すべてから滲んでいて
純粋な愛ゆえ魅力的な男であり、危険で恐ろしくもある
映画全体から感じた紙一重を体現した存在だった

南と博は一つになれたけど
会長とあの男は完全に分離した存在だったし
博とあの男の二人三脚は上手くいかない

ジャズ、素敵だけど一曲じっと聴く機会はなかなかなかった
どの曲も暖かい色の光のイメージが一緒にあって
曲を聴けばあの色が脳裏に灯る気がして
普段聴く音楽に加えたい、選択肢としてあったら良いなと思って
パンフレットと一緒に原作者の南博さんのCDも買った
クリスタル・ケイさんの歌もすごく素敵だった…
サントラ欲しいな

雅叙園 百段階段

2023年10月14日(土)
名建築「百段階段」秋の見学会
文化財ガイド付きコース

企画展をやっていない期間、そのままの百段階段を見学できるイベント
はじめて来たのでガイド付きコースにしてみた

螺鈿細工が中にも外にぎっしりなエレベーターで百段階段へ…はあああ…すご…

折れ曲がっているので百段の長さをあまり感じさせない
踏み板は分厚い一枚板
はあああ…

はあああ…

ここの部屋の重厚な雰囲気すきだった
螺鈿細工も七宝焼きの装飾もかわいい

リス…!かわいい…!と思って癒されてたら、これぶどうとリスで「武道を律する」を意味するらしい
こんなかわいいリスが…??

美術品以外にも希少な素材がたくさん使われてる
床柱の木材や加工技術の解説は知らないことだらけで面白かった
ちょうど良い距離感とちょうど良い情報量の解説なのがありがたい…

ランチ付きコースで予約してたので、見学のあとカルビアーノカフェでパスタセット食べてきた
大変美味しかった!

常々思うけど、味を表現する語彙がなさすぎる
美味しい!しか感想が言えない…
美味しいものは好きだけど、他と比較すると食への興味は薄いよね…なんでも大体は美味しいんだもの
まあ美味しい、美味しい、すごく美味しいくらいの違いは感じ取っているのだけど…

食後にお庭や豪華な廊下を散策して帰る
非日常を感じつつリラックスできる空間で素敵だった
すごいもの作るなあ…はあああ…
次は企画展のときにも来てみたい



ミュージアムショップでお土産に買った組子キット
帰宅後に組み立ててみた

なかなかに力がいる…指痛い…
なんとか完成したりんどうの図柄のコースター
かわいい〜